土選びと粗練り
今回は、瀬戸の土と信楽の土を2:8の割合で混合します。写真で使っている信楽の土は非常に白く
且つきめ細やかに仕上がります。ただ信楽の土単味だとロクロ引きをする場合、非常に底ひびが入りやすい
性質があり、加えてきめが細かすぎて土の個性に乏しいので、2割の瀬戸の白い土を混合しています。
瀬戸土の効果により、白さを保持しつつも、底ヒビを抑え、適度に珪砂の混ざった
(少しだけざらっとした)仕上がりになるのです。
混ぜ合わせる際には各々の土をスライスしてハンバーガーの様に交互に挟むと均質化しやすいです。
前方へ伸ばして土を起こし、そしてまた前方へ伸ばす。この作業を繰り返していきます。
これを粗練りと言います。粗練りする事により土をしっかりと混ぜ込みます。
写真ではまだ土が混ざりきっていないのがよくわかります。
敢えてこのまま混ぜるのを止めて、作品を作ると練り込みという技法になります。
練り込みは色の違う粘土を組み合わせるのが一般的で、
粘土の色の違いによりマーブル状や幾何学的な文様を描く事が出来るなど
非常に表現豊かな技法なのですが、ここでは狙いが違う為、均質化するまでしっかりと混ぜ込んでいきます。
粗練りを繰り返すと左右に長くなります。長くなりすぎると捏ねられないので、
左右を折りたたんで行きます。
左右どちらが上という事はありません。写真は左右を折りたたんだ絵です。
向きを変えます。そして同じ様に捏ねていきます。
こんな感じ。
頃合いを見て、粘土をカットします。マーブル状に文様が出ている場合は、
まだ混ざりきっていないので、もう少し粗練りを続けます。この画像はマーブル状の後が見られないので
しっかりと混ざっている事が確認できます。しっかりと混ざったら次は菊練りです。