菊練り
菊練りとは作陶する上で非常に有効な土の捏ね方で、陶芸をするにあたって習得必須な技術の1つです。
土の状態を均質にし、空気を抜き、ロクロを引きやすくする役割があります。
ここでは、一歩踏み込んだ菊練りについて解説してみたいと思います。
菊練りはリズムが大事です。
おしりを起点に添えた左手で船を漕ぐような楕円を描く軌道で持ち上げて、
右手で抑えつけて捏ねていきます。
この時に右手と左手の角度がずっと変わらない事が大事。
おしりの起点がしっかりと定まっていれば綺麗な菊の文様が出来てきます。
このくらい綺麗に手の跡が残る様になれば、形は菊練りが出来る様になった証拠です。
後は*まとめて行って
*菊練りから粘土を円錐形の形にもっていくことをまとめると言います。
これで完成。折角なのでもう少し詳しく解説してみます。
陶歴の長い方で、捏ねる事は得意だけどまとめるのが苦手という方をよく見かけます。
ですが、この菊練りの捏ね方は捏ねる事とまとめる事は不可分で、実は同じ事をしているのです。
そしてもうつのポイントは捏ね上がりの完成形を想定し、今現在何処を捏ねているのかを
認識して捏ねる事です。この二つの観点がより実践的な菊練りが出来る様になる重要なポイントです。
少しわかりづらいので、もっとわかりやすい様に見て行きましょう!
これから簡単に3段階にわけて捏ねている途中経過を見ていきます。
そしてその捏ねている部分がこの塊(捏ねあがりの完成形です)の具体的にどこの部分を捏ねているのかを
認識してください。
最初に見た菊練りの感じと違っています。頭が小さくて真ん中で出っ張っています。
実はこの画像は上記の1番下の部分を意識して捏ねているのです。
*人によっては真ん中が逆に凹む方もいますが、それは私と捏ねる方向が逆なだけで(多分)問題ありません。
大分頭が大きく、真ん中の膨らみが小さくなっています。
そしてこれは2番目の真ん中辺りを捏ねている絵です。
さらに頭が大きくなって、真ん中の凹みは無くなっています。
まとめの最後は右手がおしりの方へ離れて行く事で頭を大きくする事が出来るのです。
ここまで来るとわかりやすいと思いますが、これは第3の線の部分を捏ねています。
そして、ラグビーボールのお尻を地面につける様に下部を捏ねて行って、
完成!
粘土を塊の1か所だけを捏ねてもそこの部分の土しかしまっておらずそこの部分の空気しか抜けない為、
土の塊の上から下まで万遍なく捏ねて行く必要があるのです。
粘土の塊が小さい内はあまり意識する必要はありませんが、大体の目安として3キロ以上
捏ねる時などに特に重要になってきます。
初めのうちは、菊の文様すら出すのが難しいので、
ここに書いてある事は菊の文様が綺麗に出る様になってから改めて意識して下さい。